Trident

TGUi96x0シリーズによって急激に知名度を上げたベンダ。
国内ではNECが採用して有名になった。
デスクトップ分野で旗色が悪くなった後も、ノート用のLCD用チップの分野の高性能チップ分野で単品チップを販売していたが、ノート用LCD分野もチップセットへの統合化とデスクトップに遜色ない高性能化の二極化にいたって、組込用コアの提供という方向に向かっている。
現在、ALiとVIAにコアを提供しているが、S3のコアを持つVIAが採用を打ちきるのは遠い日のことではない気がする。
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Blade3D
 9880。
 Note用3Dコアとして設計されたという話を聞く。
 AGP2X。メモリバス64bitでSDRAM/SGRAM用。
 同系統のコアがVIA MVP4に使用されている。
 性能的にはRIVA128以上TNT未満の登場時期として低速の部類に入るが、低発熱でヒートシンクを必要としない。
 現時点のドライバではDirectDraw時の画質に少し難があることがある。
 大手カードベンダの採用がないため、実用に耐える画質の製品の入手は困難かと思われる。
 高クロック版のBlade3D 9880 Turboというチップがあるが、有意な差があるかどうかは疑問である。

・Jaton Video-107AGP-3D
 1280*1024程度では常用に耐える画質。ただし、良いとは言えない。
・Speakle製
 画質は比較的悪く、1024*768での使用が限界。

3DImage975
 9750。
 よく売れたTGUi9860/80系の設計に3Dコアを入れたもの。
 AGP1X。同系統にTGUi9850(3DImage985)がある。
 登場時期も古めであり、性能はViRGE/DXあたりと比べるような水準で、3Dとしては現在実用に耐えるようなものではない。
 2Dはそこそこ良好。色数による性能低下は大きい。

・CyberLink SP-9750AT
 AGP用。VRAM4MB。
 良好な画質。DAC周波数の低さからか1024*768が実用限界だが、60Hzであっても1280*1024は良好。TV-Out(S/C:NTSC/PAL)あり。
・Jaton Video-67Pro
 PCI用。VRAM4MB。
 やはりRAMDAC問題からか高解像度で満足なリフレッシュレートが得られなかった。
 画質は比較的良好と見える。

ProVidia9682
 9682。
 よく売れたTGUi9860/80系の動画再生機能を強化したもの。
 PCI、EDO-DRAM仕様
 性能的にはさほど優れた物ではないが、特に欠点もない

・メーカー不詳ボード
 比較的鮮明な画質だが、発色は良くなかった。

TGUi9680
 9680。
 PCI、EDO-DRAM仕様
 EDO-DRAMタイプの廉価品としては高速であり、当時要求されたあらゆる機能に対して目立った欠陥を露呈しなかった。
 良作といえる。

・I-O DATA GA-DRV4/PCI
 PCI,EDO4MB。
 強い印象のあるボードではなかった。

TGUi9660
 9680の廉価版か?
 PCI、EDO-DRAM仕様
 詳しいことは知らない。

・I-O DATA GA-DR4/98
 Cバス用。
 Cバス用製品としてはかなり速い部類に入る。
・I-O DATA GA-DR2/PCI
 PCI,EDO2MB。
 4MBへの増設オプションがあり、そのためのメモリソケットが付いている。
 極端なまでの極太RGBラインのGNDでの保護が印象的。
 昔、大した印象を受けなかったI-O DATA GA-DRV4/PCI(Trident TGUi9680)もおそらくこうしたライン引きであったと思われるが、記憶があやふやなためわからない。
 画質は、若干の癖を感じるが良好な部類。

Cyber9385
 基本的にはノートなど用のLCD用のコントローラでかなり薄いQFPパッケージで提供されている。
 性能や世代に関しては未調査。
 基本的に単品カードに搭載されて売られることはないが、その珍しい例があったため記載。

・メーカ不詳ボード
 PCIバス用のビデオカードで、基本的にノート搭載チップであるだけに珍しいカード。
 Windows2000で使用してみたが、OS標準のドライバでは640*480しか使用できず、時間も取れなかったため詳しいことは未調査。

TVGA8900
ISA用。
高速SVGAチップとして知られたチップだが、登場当時にふれたことはないので詳細は知らない。
基本的にはWindowsGDI意識したボードではないので、GDI系描画コマンドや多色表示の能力はない。

・ONSpeed U-T8900
 ISAバス用のビデオカードで、TVGA8900登場当時の物ではなく、最近作られた物。
 このことから、TVGA8900チップは生産終了せずに比較的長く作られたのではないかと思われる。
 RAMDACとしてTridentのTKD8001を搭載する。
 VGA-BIOSをおさめたROMがカード上にないが、TVGA8900チップあたりがROMを持っているのではないかと思われる。
 VRAMは1MBだが、素子の種類は筆者にはわからなかった(80nsのDualPoertRAM?)。
 性能としては特に見るべき点はない。

BladeXP
 PCI Drvice IDを見る限り、9910。
 Blade3Dの後継品で、メモリバスが128bitに拡張されている。
 仕様書を見る限りはAGP4X対応であるようだ。
 精度は荒いものの環境マッピングなどの機能も取り込んでおり、3Dコアに関して確実に前進はあったように感じる。
 ただ、他社製品と比べたときの非力さはいかんともしがたく、RIVA TNT2やG400のレベルの製品を2001年になって投入する意義があるのかどうかは分からない。
 メモリバスを64bitに削った廉価版として、BladeT64がある。

・inno3D XP-128 W/32MB
 AGP用。
 32MB(32bit品SDRAM4枚)。
 おそらくチップ自身の問題(あるいはBIOS)で、満足に動作するマザーボードは数少なく、筆者はTranscend TS-ALR4(OSはWindows2000Pro)とTyan S2462(ThunderK7,OSはWinXP Pro)での動作を確認したが、S2462ではAGP1Xでしか動作しなかった。
 画質は良好な部類で、EIZO T760でしか視認していないが、解像度1600*1200あたりでも充分な視認性が得られた。
 2Dに限れば32bitColorでも操作感は軽快で、深刻な互換性問題がなければ作業用としては使えるカードといえる。速度を要求するような3D用途にはお勧めしない。
 空冷ファンが付いているが、発熱はさほどなく、単にファンを撤去(ヒートシンクのみ残した状態)した状態で使用しても熱暴走するような気配は感じられない。

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