SiS

チップセットメーカとしての方が有名。
最近はスタンドアロンのチップセット/ビデオチップでなく統合製品の開発が主。
集積度の高さから部品点数の少ない製品が作れると言うことに定評がある。
RiseのmP6コアを入手したことにより、CPU,Chipset,Video,Sound,LANといった物をすべて自前で用意できるようになったため、SiSらしくワンチップ化を行っている模様。
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SiS6326
 SiSのAGP対応チップ。
 AGP2X/PCI。
 RAMDAC統合。
 メモリバス64bit、SDRAM/SGRAMに対応する。
 カタログスペックは比較的強力で、意欲作とは思われるものの、低価格である以外特に目だった点はない。
 3D能力はプレRIVAクラスであり、実用に耐えるものではない。
 このコアは統合チップセット、SiS620,SiS530にも使われている。

・A-Open PA45
 すばらしく悪い画質。
 他に特に特徴なし。
・ASUSTeK AGP-V1326
 及第点程度の画質。
 TV出力機能がある。
・GAINWORD CARDEXPERT SiS6326
 及第点程度の画質だが、1280*1024はつらい。
 TV-Outあり/なし、AGP/PCIとモデルがある。

SiS300
 周回遅れの意欲作。
 AGP2X/PCI。
 RAMDAC統合。
 全作の6326に対してメモリバスが128bitに強化されている。
 本来登場予定だった時期ならともかく、今となっては存在意義に疑問を感じるレベル。例によってSPECだけは豪華に見える。
 3D能力はTNTクラスであるが、値段にもよるがあえてSiS300を選択する理由は見つからない。
 コンパニオンチップとしてSiS301があり、これを付加することでもう1チャネルの映像出力が可能となる。TV出力、DFP出力、アナログRGB出力に対応。 このコアは統合チップセット、SiS630,SiS540にも使われている。
 3.3V-AGP用であるにもかかわらず、1.5VEdgeが切られた見た目だけ1.5/3.3共用カードが存在するが、1.5V専用AGPに挿すと燃えるので注意を要する。

・Leadtek WinFastVR300
 液晶ゴーグルが付いてくるが、あんな目に悪い物を付けて遊ぶ人はいるのだろうか。
 画質もあまり良くなく、目に悪いボードという印象がある。
 SDRAM32MB。

SiS305
 SiS300の廉価版。
 メモリバスを64bit(32bitも可)に削った以外特に目立った変化はない。
 3.3V-AGP用であるにもかかわらず、1.5VEdgeが切られた見た目だけ1.5/3.3共用カードが存在するが、1.5V専用AGPに挿すと燃えるので注意を要する。

・A-Open PA305
 AGP。
 SDRAM16MB。
 16bitチップ2つで構成されており、チップスペック未満の32bit接続でしか接続されていないと思われる。
 高解像度が実用的な画質ではない。

SiS315
 SiS300の後継。
 メモリバス128bit、DDR-SDRAMにも対応する。
 AGP4X。PCIインタフェースを持っていたかどうかは記憶にない。
 SiSチップとして初めてHardware T&Lエンジンを搭載しており、レンダリング段の描画品位もSiS300ファミリより随分改善されているように思われる(ドライバレベルかも知れないが)。
 3Dの速度自体はGeForce2MXレベルであり、使用するメモリに応じてその性能は変化する。2D部分はWindowsGDI部分を含めて良いレスポンスが得られる。

・名称不明品
 AGP。
 SDRAM32MB。
 166MHz品の16bitチップ4つで構成されており、64bitでしか接続されていないと思われる。メモリバスの狭さからか他で見るデータより遅いようだが、きわめて廉価であったため値段相応といった物だろう。
 画質はそこそこ良い部類だが、画質を期待して買うほどの物ではない。

Xabre Series
 SiS315の後継。
  SiSの新ブランドXabreシリーズの上位チップであり、SiSによるとセイバーと読む。従来通りにSiS3xxと呼ぶならば、SiS330になる(DEVICE IDでは0330(hex)を返してくる)
 Xabre200とXabre400の区分は純粋に駆動クロックのみであり、前者はコア200MHzメモリ166MHz(DDR333)、後者はメモリ250MHzメモリ250MHz(DDR500)である。後に製造プロセスが130nmになったXabre600が追加された(Xabre400以下は150nm)。こちらはコア300MHz、メモリ300MHz(DDR600)である。
 コア自体はDirectX8世代のものであり、Vertexlizer/PixelizerというVertexShader/PixelShaderを搭載している。PixelShaderのバージョンは1.3であり、1.3がnVidia系、1.4がATi系という意味ではnVidia系に属する。レンダリング段の構成は4Pipeline/2TextureUnit(4P2T)。Vertexlizerは当初は未搭載という発表だったが、Xabre600発表のタイミングでVertexlizerを有効化するドライバが発表された。単純にドライバの開発が遅れていただけかも知れない。
 もっとも、VertexShader/PixelShader共に高い性能であるとは言えず、レンダリング段が4P2Tであるにも関わらず4P1TのATiのRV250コアと同等か、やや劣った性能であるようだ。
 AGP3.0に基づくAGP8Xに対応しており、AGP8X製品としては世界初となる。
 VRAMはDDR-SDRAMに対応している(実際にはSDRも動きそうな気はするが)。バス幅は128bitで、これを64bitに削ってピン数を削減した廉価版はXabre80として区別される。また、Xabre80はAGP8Xに対応しない(しかし、ドライバのinfファイルを見る限りDEVICE IDレベルで200/400と80を区別している様子もなく、SiS3xx型番として区別されている様子も見出せなかったため、80も同項にまとめることにする)。
 また、Jitter-Free Anti-AliasingとされるFSAA機能を持つが、FSAA時のパフォーマンスはそれほど高いとは言えないようだ。
 SiS315同様にSiS301コンパニオンチップを搭載することでマルチモニタ機能やDVI出力機能を追加できる(Xabre自体はRAMDACを1つ搭載するのみで、TMDSトランスミッタを内蔵しない)。ただし、SiS301の出力能力は1280*1024が最大解像度であり、筆者としては高い解像度に対応した後継チップを希望する。
 マルチモニタ機能(Double Sceneと呼ぶようだ)自体はクローンと別画面機能のみのシンプルな物。2048*768のような変則的な解像度を分割するタイプの動作には対応しない(したがって、Windows2000ではクローンモードしか使用できない)。
 速度そのものはGeForce2TiやGeForce4MXやRADEON7500などと大差ないが、DirectX8系のコアが低価格で入手できるという意味で存在感を感じる。
 2002年7月現在の使用感として、ドライバの完成度は高い部類にあり、問題らしい問題が感じられなかったことを付記しておく。

・Triplex Xabre PRO 64MB TV-OUT/DVI
 AGP用のXabre400カード。64MBのDDR-SDRAMが128bit接続されている。
 玄人志向ブランドでXABRE400EX-AGP64Cとして販売されている物で、筆者が手にした物は玄人志向による販売品である。
 アナログRGBとDVI-I端子を持ち、DVI-IはSiS301コンパニオンチップによる出力である。
 特徴的な銀色基板を持ち、メーカーによると性能への効能があるとのことだが、確かめるすべもないので言及するにとどめる。
 チップファンを搭載しているが、さほどの騒音ではなく、よほど神経質な方以外は気にする必要がないと感じた。
 はっきりした彩色の画質で品質は良好であり、1600*1200程度の解像度であれば、充分実用になる。DVI-I側のアナログ出力はSiS301の仕様上、最大解像度が1280*1024に限定されるのが惜しまれる。
 また、セカンダリ出力(SiS301)側は1280*1024@75Hz(60と75以外選択できない)では画面にノイズが出るため実用にならないが、これが筆者の環境固有の現象なのかどうかは検証できていない(SiS301が熱だれしているような気がする)。

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