IBM

直訳して国際事務機。
VGAやXGAなどの規格作成メーカとしての方が印象的だが、グラフィックスチップ単体製品でも知られる。
筆者にはBlueDACとして知られる同社のRAMDAC、RGB51x/52xの印象が強い。
現在ではOpenGL用の256bitチップを出荷しているが、高額なので筆者は手が出ない。
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32G6698
 いわゆるXGA-2。
 RAMDACは外付けで、メモリはおそらくDualPortDRAM用と思われるが、詳しくはわからない。
 チップ自体はISA用。XGA自体はMCAに特化した設計であったはずで、どのような仕様によってISA対応としたのかはわからない。
 XGA規格自体はVGAとIBM8514の上位互換で、最大1024*768、16色と256色に対応する。
 いわゆるXGAモードとされる1024*768はこれに由来するが、8514上位互換やMCAに依存した基幹設計などを含めてXGAと言う規格が存在するのであって、厳密には誤りである。

・IBM XGA-2
 ISA用のカード。
 おそらくNEC製80nsのDualPortDRAMを1MB搭載と思われる。
 RAMDACは同社製の白いパッケージに納められた物で、33G0327というチップ。周波数はわからない。
 正常に多色環境で使えていない(弄り倒す時間もないわけだが)ので画質の評価はさける。
 基板はレジスト液の色も含めてマーキングもアートワークもCanopus PowerWindow9100PCI-4Mと似通っており、Canopus製のIBM製RAMDAC製品がIBMにてデザイン、生産されたという説を裏付けるものとなっている。

RZ1000
 IBMの256bitラスタライザで、事実上DiamondMultimedia社のFireGLシリーズ(現ATi)用に開発された。
 基本的にはOpenGLチップで、初代のFireGL1ではジオメトリ段をSSEによるSIMDで実行する設定(当時最速レベルとされ、ジオメトリプロセッサは必ずしも必要でないと言われた)となっていたが、FireGL2/3ではジオメトリエンジンであるGT1000チップと併用された。
 AGP2X/PCIインタフェース、メモリバスおそらく256bit。
 RAMDAC内蔵で、ある意味生産終了となったBlueDAC系の後継とも言えるかも知れない。
 DirectXやGDI関係の速度は期待してはならない。

・DiamondMM FireGL1 32MBAGP
 RZ1000搭載のAGP用ビデオカードで、NLXを意識した基盤になっている。
 16Mbit品x32品SGRAMを16枚(!)実装しており、おそらく256bit2bank構成になっていると思われる。
 RZ1000チップ上には冷却ファンが搭載されているが、あまり品位の良い物とは見えなかった。ジオメトリプロセッサのGT1000はこのカードでは使用されていない。
 IBM DACということで画質に期待されるかも知れないが、発色は鈍く、解像度感は悪くないものの1600*1200レベルでは滲みが見える(一応実用レベルではある)、Diamondらしい画質のカードである。フィルタの特性が作用していると思われるため、フィルタカットしてやれば別物の画が出てくるように思える。

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