Cirrus Logic

DAC内蔵と通常のDRAMの使用でビデオチップの低価格路線を築いた。
高級品はS3やMatrox、普及品はCirrusLogicといった感じに一時代を作った感がある。
品質は高くなかったが、とにかくトータルコストが安かった。
オンボード採用が減っても、しばらくはNotePCのLCD用分野で姿を見たが、最近はもうグラフィックス分野で名前を見ることはない。
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GD5465
 通称Lagna。
 AGP1X。
 RambusDRAM使用。
 シリーズ品としてGD5462/5464があり、いずれもRambusDRAM専用。これらは筆者は使用したことがない。
 2Dはそこそこに速いものの、3Dは今の基準ではまったく使いものにならない。
 所詮はプレRIVAチップということである。

・MSI MS4415
 3D-AGPhantomなる恥ずかしい愛称がついている。
 1152*864までの画質は比較的良好。
 CreativeのLagnaボードと配線パターンが同じなので、おそらくCirrusLogicが出したリファレンスデザインそのままか、またはどちらかが供給元であると思われる。

GD5428
 RAMDAC統合、通常のFastPageDRAMをフレームバッファとして採用で、低価格路線を築いたCirrusLogicの出世作。
 非常に多くのPCで、低価格用として標準搭載されたベストセラーチップ。
 RAMDAC統合で、最大2MBの32bit接続のFPDRAMが利用できる。
 ISAとVL-Busに対応し、ISAと電気信号的に大差ないPC-98のC-Busでもよく利用された。
 時代はS3 86C928の頃で、928が24bitModeでアクセラレーションが効かない(一部例外あり)のに対して、こちらは有効であり、その点での優位が語られたこともある。
 ただし、基本的には廉価低速品であり、内蔵されたRAMDACの品位も悪かった。
 確か、16bitModeがなく、15bitModeのみであったように思う。

・Melco WAB-2000
 PC-98x1のC-Bus用ビデオカードで、FPDRAM2MB搭載。。
 速度的に見るべき点はなく、画質も正直見れた物ではない。

GD5426
 ベストセラーのGD5428の先代であり、これもよく売れた。
 さほど大きな違いはなかったと思うが、このころ筆者はCirrusLogicなどを注目してWatchしていたわけではないので、さほど多くのことは知らない。

・Melco WAB-S
 PC-98x1のC-Bus用ビデオカードとして低価格路線を作った一枚。
 FPDRAM1MB搭載。
 速度的に見るべき点はなく、画質も正直見れた物ではない。

GD5434
 GD5428の後継で、Alpineという愛称がある。
 先代に対する大幅な速度向上がなされており、当時の一般的な用途では破綻を来さない程度の速度まで向上した。
 FP-DRAMを4MB搭載可能。64bit接続に対応するが、2MB以上搭載したときにしか利用できない。
 シリーズに、VRAM搭載量が1MBに制約され、32bit接続しか利用できない5430がある。
 筆者が思うに、この時期がCirrusLogicの全盛期であったかと思う。

・I-O DATA GA-98NBI/II/IV
 独自開発チップ路線を放棄したI-O DATAのPC-98x1のC-Bus用ボード。
 同社のPC/AT互換機用の同チップ搭載品がドライバの完成度の高さによってハイエンドカードを撃破する大活躍(CirrusLogicが非常に驚いたらしい)を見せたのだが、このボード用ドライバも同じ流れを汲み、低価格品とは思いがたい高速性を発揮した。
 しかしながら、内蔵RAMDACの限界か、画質は良いものではなかった。

GD5440
 GD5434の下位モデルであるところの、GD5430の後継で、同じくオンボード用として多く販売された。
 違いは基本的にはHardwareDCIのサポートの類の動画再生系機能で、S3でいうところのVision964とVision968の違いに相当する。
 すなわち、有意な差はほとんどないと言える。
 EDO-DRAMをサポートしているが1MBしか搭載できず、基本的に低速廉価品でしかなく、オンボード市場はS3やATi、Tridentなどに浸食されてゆくことになる。

・メーカ不詳ボード
 UNIXのコンソール用として購入したGD5440ボードなので、さほど多くの特性は見ていないが、特に優れた点は見あたらなかった。

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