3dfx
3Dゲーム市場がニッチであった頃の覇者で、そのころの3D関係のデモではVoodooGraphicsを使用するのが常だった。
最近斜陽の雰囲気が色濃いが、このまま衰退させるには惜しいベンダである。
以前はチップ専業だったが、Voodoo3発表期にSTB-Systemsを買収し、ボードメーカへの転業を行った。
その過程が180度急転換だったため、ボードベンダからの敵視にさらされた。
その後、nVidiaとの競争で負け組になってきた様相を感じるが、GigaPixelを買収し、再びトップメーカとして復権するかどうか注目される。
迷走を続ける感があるが、体力不足からか、再びチップデザイン会社に戻ろうとしているようにも見える。
残念ながら、21世紀を迎えることなく解散を決定した。
昔は3Dfxという表記だったが、最近は3dfxという表記になっている。
webpage
x3dfx (drivers & etc...)
VoodooGraphics
独自API、Glideとともに出現した当時最強で並ぶものなどないビデオチップセット。RIVA128登場までは比肩するもののない性能だった。
pixelfxとtexelfxの2チップ構成で、DAC外付仕様。
いわゆる3D専用カードであり、VGAを持たず、メインのビデオカードの出力をパススルーケーブルで入力し、切り替える形態をとった。
メモリはEDO-DRAMで、4MBまたは6MB搭載できた。
・Diamond
Monster3D
事実上VoodooGraphicsといえばこの製品だった。
ICS製135MHzのRAMDACを使用。
パススルーすることでメインのビデオカードの画質低下がやや目立ったことを覚えている。
あまり長く使ったことがないため、あまり詳しくは分からない。
VoodooRush
AllianceSemiconductorのProMotionAT25を2D部分として利用し、VoodooRushそのものは3D専用という形態のチップ。
多くの特性はAT25に依存。
性能/機能的にはVoodooGraphicsのサブセットであり、完全互換ではないことから、Rush非対応というものが多く、あまり高い評価は得られなかった。
筆者は見たことはないが、AT25の代わりにMacronix製チップを使用したボードもあったようだ。
・I-O
DATA GA-RUSH6/PCI
AllianceSemiconductorの項を参照。
VoodooII
VoodooGraphicsの正統なる後継にして、同社最後の3D専用ボード。
texelfxが2つになったような3チップ構成のチップセットで、DAC外付であるため4チップ構成に見える。
VRAMは8MBまたは12MBのEDO-DRAM。
2枚のVoodooIIボードを組み合わせて奇数ライン,偶数ラインを別々に処理して性能を高めるSLIという機能を持つ。
単体では同時期のRIVATNTと大差ないか劣る程度の性能だったが、SLI使用時においては間違いなく最強だった。
SLI時の性能は3dfxの弁によるところの後継であるVoodoo3の性能を多くの場合で上回る(3dfxの弁によると下回るらしい)。
当然、Glideが利用できる。
・I-O
DATA GA-VDII12/PCI
標準的な設計のVoodooIIボード。
12MBモデル。
TV-OUT可。
VoodooBanshee
3dfx初の2D/3D兼用ボード。
AGP2X/PCI。
VRAMは16MBまで搭載可能。
DAC内蔵。
AGPとしての機能をほとんどまともに使っていないものの、3D性能は一流であり、当時(nVidiaではTNTの時期にあたる)最強というわけではないが高い性能を誇った。
むしろPCIバス用での高性能が目立つ。
2D分野は初めてであるにもかかわらず、最強レベルの2D速度を持つ。
当然、Glideが利用できる。
Windows2000標準ドライバはマルチディスプレイモードサポート。
・I-O
DATA
GA-VB16/98PCI
おそらく9821に(動作保証付きで)搭載できるビデオカードの中では最強と思われる。
16MBモデル。
山洋のチップファンが付いているのが印象的。
画質はかなり良い部類であり、1600*1200程度の解像度でも画像がさほど崩れないのだが、9821の本体のリレー回路を経由すると格段に画質が落ちるため、その真価を活かす機会は少ない。
高画質はI-O製ドライバによるRAMDACへのパラメータ定義が適切であることに由来する点が大きく、汎用ドライバの類ではあまりぱっとしない。
・I-O
DATA GA-VB16/AGP
上のカードのAT互換機用AGPモデル。
特性は上に似る。
Voodoo3
一見Voodoo2の後継に見えるが、2D/3D兼用チップ。
体を表した名で呼ぶならばBanshee2というべきであろう。
AGP2X/PCI。
VRAMは16MBまで搭載可能。
特性はやはりというかBansheeに似ていて、2Dが非常に高速であったり、AGPをほとんどPCI同様にしか使えていないところなど、Bansheeの正常進化であることを伺わせる。
性能的には同時期のTNT2と対等程度だが、テクスチャサイズの上限が低い、AGPメモリにテクスチャを置けない、24/32bitカラーモードで3Dが利用できないなど、機能的な限定が目立った。
PCIバスで使用したときの速度が優れていて、特に貧弱なPCIバスでも性能を出しやすいことから、旧機種にPCIモデルを刺す場合のチョイスとして非常に魅力的である。
当然、Glideが利用できる。
・3dfx
Voodoo3-3000/AGP
買収したSTB-Systemsによる製造。
16MBモデル。
発熱が大きさをファンでなく、巨大なヒートシンクで処理していることが印象的。
画質は良くもなく悪くもない。DiamondMultimediaの画質に似ている。
・3dfx
Voodoo3-2000/PCI
上のカードのPCI用の低周波数モデル。
ヒートシンクのサイズが小さくなっている。PCI用としては一流の性能。
他の特性は上に似る。
・3dfx
Velocity100
公式にはチップ名は不明だが、実はVoodoo3を搭載していて、ドライバも共用できる。
Voodoo3-2000/AGPの8MB品。
他の特性は上に似る。
VSA-100
(Voodoo4/5)
Voodoo3の後継チップ。開発コードはNapalm。
AGP4X/PCI。
VRAMは32MBまで搭載可能で、マルチチップ構成(SLI)を前提として開発された。
速度的にはVoodoo3に対してさほど大きな向上はなく、正直見るべき点は少ないが、今までの懸念だったAGP完全対応や32bitModeでの3Dアクセラレーションに対応している。
HW-T&Lは搭載されていない。
2Dの高性能は健在。
マルチチップ構成とすることでようやく一線級の性能を発揮できるが、2-Chip構成でも同世代の他社のチップに対してアドバンテージを得ることはできていない。
ただし、HW-T&L未対応のゲーム類では他社製品に対してアドバンテージがあり、あまり先を見据えない上での現実解として考えると充分な存在意義を感じる。
特筆すべき点は、売り文句としているFSAA(Full
Scene
Antialiasing)であり、これは実際のところ驚くほどの画質向上につながることが多い。
FSAA自体はnVidiaチップでもGeForce256以降であれば有効にできるが、VSA-100は、(マルチチップ構成であれば)FSAA時のパフォーマンスであれば最高レベルの速度を出すことができる。 当然、Glideが利用できる。
・3dfx
Voodoo5-5500
AGP
買収したSTB-Systemsによる製造。
2チップのSLI構成で、32MB*2=64MBモデル。
発熱が多いらしく、AAVID製のヒートシンクファンが付いている。
画質は良くもなく悪くもない。
・3dfx
Voodoo4-4500
PCI
買収したSTB-Systemsによる製造。
1チップ構成だが、2チップに対してそれほど大きな性能低下はない。
メモリ32MB。
画質は良くもなく悪くもない。
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